2001年10月10日 豊田英司
本文書は gtool4/Fortran 90 ライブラリの構成と保守に必要な知識を概観します。
gtool4/Fortran 90 ライブラリは多次元数値データの抽象的インターフェイスや、関連ツールを作成するのに必要な機能を提供します。
図1: gtool4/Fortran 90 の概観
gtool4/Fortran 90 ライブラリは図形表示アプリケーションとその他のコマンドラインツールをサポートします。
図形表示アプリケーションは DCL によって提供される描画機能を gtgraph クラスライブラリを通じてアクセスします。gtgraph は下位層 gtdata が提供するデータアクセスを用いて高水準の作図機能を提供します。すべての図形情報はプログラム内でオブジェクトと呼ばれる構造型変数に格納され、これを簡単なサブルーチン呼び出しでディスクファイルに書き込んだり、それを読み戻したりすることができます。
データアクセスを提供する gtdata 層は各種のデータ形式を抽象化した多次元数値データアクセスライブラリです。いかなるデータ形式も、多次元数値配列である変数と、それに付随する属性の集合としてアクセスできます。それ以外のデータ形式に依存した情報はすべてライブラリ内部で管理されます。
ライブラリにはこのほかにエラー処理ルーチン、処理系依存事項ラッパーなどが含まれています。
これらの機能を実現するために、gtool4/Fortran 90 ライブラリは以下のものに依存しています。
DCL: 描画機能、処理系依存事項
DC_STRING: 文字列処理 (ISO/IEC 1539-2:1994 で規定)
UNIDATA の netCDF ライブラリ