放射MTGメモ(2017/01/25)

参加者

  • 倉本圭, 石渡正樹, はしもとじょーじ, 高橋康人, 大西将徳

系外惑星放射計算プログラムの開発 (大西)

  • 雲計算の導入
    • 金星雲の光学物理量を計算するコードの実装はほぼ完了.
      • コードの確認作業中.
      • Pollack (1993) の金星雲特性を元に雲の光学物理量を計算.
      • 複素屈折率データの reference はまだ確認できていない.
  • 放射計算(放射源関数と放射場が整合的になるように計算する放射伝達計算)
    • 一次散乱アルベドが大きい場合に, 1層の光学的厚さが大きいと, 透過率を正しく計算できない.
    • 原因は, 定式化に用いている仮定がよくないことが考えられる.
      • 放射源関数を計算する際に, 大気層内の放射強度が光学的厚さに対して線型であることを仮定している.
      • 位相関数の積分が間違っているかもしれない.
    • 対処法について
      • 大気層を細かくして計算する方法は計算コストが大きすぎて実際的な問題には使えない.
      • 位相関数の積分の箇所を確認する.
      • 1 層ごとの透過率, 反射率, 大気の射出を計算し, それらを元に全体の放射伝達を計算する方法もよいかもしれない.
    • 議論, コメントなど
      • Toon et al. (1989) では大気層内の放射場をどのように仮定しているのか?
      • 金星テスト計算で, 大気層を 2 倍にして計算してみたらどうか?
  • 水蒸気大気の圏界面温度の推定
    • 課題
      • 放射伝達計算
      • 顕熱, 潜熱の寄与見積もり
        • 放射計算が正しくできることが前提
  • mtg 資料

木星大気モデルの開発 (高橋康)

  • Geometric albedo の計算
    • 定式化の修正
      • 方位角積分に関連する部分は, 2 sinSZA pi ではなく 2pi で割るのが正しい
    • Lambert sphere 大気の計算
      • 設定に問題
        • Lambert sphere ではなく, レイリー散乱大気の計算になっていた
        • 吸収をなくしレイリー散乱を強めたモデルを Lambert sphere としていた.
        • これだと下向き散乱が存在するため Lambert sphere になっていない
      • 対処方針
        • レイリー散乱大気の Geometric Albedo 解析解を求める: こちらの方針でまず進める
        • Lambert sphere になるようにモデルを変更する
      • コメントなど
        • 各太陽天頂角での放射を確認することで, Lanbert sphere に近い放射になっているか確認する.
    • 日射天頂角分割数への依存性
      • 現行モデル設定で, 日射天頂角の分割数を 8 -> 16 で比較すると, Geometric albedo は, 1.10 倍となった
        • 天頂角方向への積分の精度の問題
    • エネルギー収支
      • Source Function 法だとnet flux の上端での収支がずれる
        • 散乱のみで, 吸収射出のない大気の放射を source function 法で計算した場合に, 上端での放射収支があわない.
      • フラックスの鉛直プロファイルの振る舞いがよくわからない
        • 下向き放射がいったん大きくなってから小さくなる
        • 直達項と散乱項で区別して考察する
      • コメントなど
        • 厚い散乱大気設定になっているので, そもそも放射計算がうまくできているのか?
  • mtg 資料

JpGU

  • JpGU の投稿受付が始まっている.

次回の日程

  • 2017/02/01 (水) 9:00-