放射MTGメモ(2016/09/21)

参加者

  • 倉本圭, 石渡正樹, はしもとじょーじ, 高橋康人, 大西将徳

系外惑星放射計算プログラムの開発 (大西)

  • 放射源関数法モジュールを用いた場合の問題と解決
    • 2 層モデルでの確認
      • 放射源関数法で不自然な値を生じる以下の条件でも, 数値計算上の桁落ちで不自然な値が生じているわけではない.
        • piB0,1 = 1, piB0,2 = 2, piB0,3 = 4, Tau1 = 1e-3, Tau2 = 1, SSA1 = 0.9, SSA2 = 1e-6, mu=0.2
        • 計算コードの流れに沿って桁落ち確認.
        • 4 倍精度計算とも比較.
    • Toon の方法のエネルギー保存の考察
      • Toon による放射伝達式を変形して分かったこと.
        • Two-Stream 法では, 一次散乱アルベド = 1 の時にエネルギー保存する.
        • Source Function 法では, 一次散乱アルベド = 1 の時, 天頂角 a で大気境界上下から入射する放射の和が, Two-Stream 法によるものと同じ場合に, 天頂角 a の角度の放射のみでエネルギー保存する.
          • 天頂角積分した時に保存するかは確認できていない.
        • Source Function 法では, 一次散乱アルベド = 1 の時, 1 層モデルではエネルギー保存する.
      • エネルギー保存については Toon の論文にも記述がある.
        • TABLE 2 には, 一次散乱アルベド = 1 で Source Function は, flux conserved とある.
    • 議論, コメントなど
      • 問題の整理
        • 不自然な値が生じる原因については, 以下のレベルがある.
          • 1. Toon et al. 1989 の定式化がよくない.
          • 2. 正しく実装されていない.
          • 3. 正しく実装されているが, 計算の仕方で精度がわるい.
        • これまでの確認から, 2, 3 ではない.
      • Source Function 法のエネルギー保存の考察は, 天頂角方向に積分しないと意味がない.
      • Toon の Table 2 の根拠を確認する.
      • 天頂角方向の積分の離散化エラーの可能性もある.
      • Toon の Source Function 法の適用範囲に, 今の設定は入っているのか?
      • 天頂角余弦 = 0.5 の時のみでフラックス計算を代表させるのは, 物理的に意味がない.
      • Source Function 法と Two-Stream 法の解が似ていないとうまくいかないのではないか.
        • 値が一致するまで, イタレーションするのが本来のはず.
      • SSA を振った計算で, 放射収支の mu 依存性の図を描いてみてはどうか.
        • SSA が 1 に近づくときに何か起こる?
      • 系の設定が, 物理的に分かり易い系で確認作業行うとよい.
        • piB0,1 = piB0,2 = 0 ならその境界に挟まれた層は吸収になるはず.
  • mtg 資料

木星大気モデルの開発 (高橋康)

  • 日射問題
    • 1 micron 以下の放射計算において、以下の点で観測との顕著な不一致がある
      • 熱収支
      • フラックスプロファイル
      • アルベドスペクトル
    • 考察
      • 合わない理由として大きく二点が考えられる
        • CH4吸収の波長レンジのカバーが不足している
        • ヘイズによる吸収を導入していない
      • 他の要因の影響についても引き続き調べる
        • 比較対象の観測データの解釈・定式化・計算設定・計算精度等
    • アプローチ
      • 短波長CH4吸収モデルの導入
      • ヘイズのケーススタディ
        • 収支が合うように調整して与える
    • 議論
      • 各ケースでの熱収支・放射冷却率
      • フラックスプロファイル
      • スペクトルについてはどこまで再現されるか?
    • コメント
      • Red absorber (Sromovsky et al. 1998) のプロパティを要確認
      • 赤色帯のアルベドよりも、UV-青色にかけてのアルベド低減について考察するべき
        • スペクトル特徴を再現するのに必要なヘイズ高度を見積もる

次回の日程

  • 次回の日程は, メールにて調整する.