放射MTGメモ(2012/11/27)

参加者

  • 倉本圭、石渡正樹、はしもとじょーじ、高橋康人、三上峻、大西将徳

吸収係数の計算(大西)

  • Voigt線形の近似計算について
    • 先人のプログラム
      • 光田さん: Kuntz 1997 にRuyten 2004で指摘された修正
      • はしもとじょーじさん: Drayson 1976
    • 最近も、Voigt profile の近似計算についての論文は多数ある(例えば、Franz Schreier 2011)
    • まずはKuntz 1997 + Ruyten 2004で計算を行う
    • 光田D論のVoigt線形の近似式に誤植4か所確認
      • (p101 |x| + y < 5.5 かつ y > 0.195|x| - 0.176 の場合)
        • Voigt(x, y) = の分母: (b_6 * x^6) -> (b_6 * x^4), (d_6 * x^8) -> (d_6 * x^6)
        • a_5 = の y^6の係数: (204.510 * y^6) -> (204.501 * y^6)
      • (p102 中ほどの条件式)
        • (y > 0.195|x| - 0.176) -> (y < 0.195|x| - 0.176)
  • 吸収線強度の温度依存性について
    • 光田さん, はしもとじょーじさん: HITRAN提供のサブルーチン TIPS を使用
    • HITRAN08では、分配関数の値が格納されたfileも提供されている(parsum.dat)
    • TIPS, parsum.datの特徴
      • "TIPSglh は, 理論式によって求められた分配関数の25 K ごとのデータから4 次のラグランジュ補完することにより, 分配関数比Q(Tref )/Q(T) を求めている."(光田D論より)
        • TIPSglh は、HITRAN提供のTIPSに、はしもとじょーじさんが改良を加えたもの(温度の計算範囲を拡張)
      • parsum.datは70〜3000[K]までの分配関数の値が、1[K]ごとに、それぞれの分子種で与えられている
      • TIPSの有効数字は5ケタ、parsum.datは12ケタ(?)
    • 計算されたテーブルがあるならば、そちらを使う方が良いのではないか
  • 吸収線の計算
    • 圧力依存性の計算のみ実装して(Voigt profile, Kuntz 1997 + Ruyten 2004)、一本のラインを計算
      • 圧力が大きくなるにつれて、ブロードになる特徴を再現
  • ToDo
    • 吸収線強度の温度依存性を計算できるプログラムの実装(parsam.datより計算)
    • 波数範囲、分子種を変えて計算できるように拡張

木星のガスの吸収線について(高橋)

  • k-分布法の計算について
    • 計算方法
      • 1. LBLデータを作成
      • 2. LBLデータからk-分布データを作成
      • 3. k-分布データの最大最少値からlogで等間隔に、吸収断面積の大きさを区切る(今回は5段階)
      • 4. 吸収断面積を足し合わせた値と、矩形で近似した値が一致するように積算確率の幅を決定
    • 5段目の高さは、吸収断面積の大きさが矩形近似と一致するように、決めるべき
    • 混合気体の場合には、混合気体のLBLデータをつくり、k-分布法を適用する
    • k-分布のパラメタの決定は、LBLでFluxを計算したものをよく再現するように決めるしかない

タイタンの大気の計算(三上)

  • タイタンの原始環境を再現する数値計算を行っている。
    • 前回確認された温度の不連続はプログラム修正を行った。
    • Flux Convergenceの不連続は上向きフラックスの計算に問題があることを確認。
    • 変数を見やすくする改良を行う。

次回の日程

  • 12/11(火) 9:00-