以下では, 石岡謹製数値計算パッケージ ISPACK を The G95 project で公開されている G95 Fortran Compiler によってコンパイルし, その Debian パッケージを自動生成するための方法について記す.
buildpackage-tools ディレクトリ以下には以下のファイルが置かれている.
プログラムが呼び出される際のプロセスの階層を以下に示す.
ispack-g95_debmake_main.sh ダウンロード - Debian パッケージ作成 | |-- g95_download.sh ダウンロード | |-- g95_vercheck.sh バージョンチェック | | | `-- g95_getversion.sh バージョン取得 | | | `-- g95_datetrans.pl バージョンの数値変換 | `-- g95_version バージョン比較
buildpackage-tools ディレクトリへ移動後, ispack-g95_debmake_main.sh を実行する. その際, 環境変数 DEBEMAIL, DEBFULLNAME, MAILTO を設定して実行すること.
DEBFULLNAME, DEBEMAIL で設定された値は Debian パッケージ内の changelog に書き込まれる. MAILTO で設定されたメールアドレスへは, このプログラム によるアップデートの結果が送られる.
$ cd tools $ [email protected] \ [email protected] \ DEBFULLNAME="Yasuhiro MORIKAWA" \ ./ispack-g95_debmake_main.sh -v
オプション -v によって動作の詳細が標準エラー出力に 表示される. 不要な場合は -v をはずすこと.
cron を利用することによって, 更新を自動化する.
$ crontab -e
以下に書き込む内容の例を示す. MAILTO, DEBEMAIL, DEBFULLNAME は 適宜変更せよ.
[email protected] # g95 Debian パッケージのアップデート (毎週月曜深夜にアップデート) 30 3 * * 1 umask 002; cd /GFD_Dennou_Club/ftp/arch/cc-env/g95/ispack-g95/buildpackage-tools ; [email protected] DEBFULLNAME="Yasuhiro MORIKAWA" ./ispack-g95_debmake_main.sh
g95 は頻繁に更新されるため, バージョンによっては ispack の コンパイルがうまくいかない場合がある. その場合, もし cron を利用した自動更新 を行っていて毎回 cron からエラーメールが 来るのが鬱陶しい場合は, 一時的に g95_version のバージョンを手動で 最新版に更新しておくと良い. こうすると再度 g95 がバージョンアップされる までは ispack-g95 パッケージの自動生成を行わないため, エラーが生じない.
ただし, g95 がバージョンアップした際には, 「一つ前の deb パッケージが 取得できない」というエラーを生じるため, g95_version を元の (過去, ispack-g95 を正しく生成できた) バージョンに手動で戻す. もしも再度 バージョンアップされた g95 でも ispack ライブラリが生成できない場合は 再び上記のように g95_version を g95 の最新バージョンに手動で 変更すること.